確定拠出年金(iDeCo)のとんでもないデメリット

確定拠出年金の知られざるデメリット

近年、確定拠出年金という言葉をよく聞くようになりました。DC(Defined Contribution Plan)とか、日本版401k、それからiDeCoと呼ばれることもありますね。節税に繋がるということで、人気のようです。

だけど、この確定拠出年金という制度は、よく言われる「一定の年齢まで引き出せない」というデメリットのほかに、あまり知られていないデメリットも多く存在します。

何も知らない人が気軽にはじめられるような性質のものではなく、金融や投資の知識が豊富な人向けの商品だと思ったほうがいいです。ふるさと納税やNISAと同類の制度とは決して思わないようにしてください。

そのことを、わかりやすく丁寧に説明してくれている記事がありますので、紹介します。「大部分の人にとって個人型確定拠出年金に節税効果はなく、逆に税負担の増加(増税)となる」です。以下、引用元は、特別記載がなければ、この記事です。

この記事中では、デメリットが3つあると説明されています。

税務上のデメリット(税金の負担を増やす点)としては、(1′) 運用期間中に特別法人税 1.173% が課税されること、(2′) 年金の受け取り時点まで課税の繰り延べをしてきた結果、年金受け取り時に多額の課税所得が生じ、所得税・住民税のみならず、健康保険税などの社会保険料負担が重くなること、(3′)DC特有の手数料がかかること、以上の3点が挙げられます。

1つ目のデメリットについてですが、恥ずかしながら、わたしはこの記事を読むまで、このデメリットをまったく知りませんでした。

 1番目のデメリットである特別法人税について、もう少し詳しく説明をしますと、企業型DC、個人型DCを問わず、運用期間中に、運用残高に対して特別法人税 1.173%(特別法人税について課される法人住民税を含めた税率)が毎年課税されることになっています
ただ、現在のような低金利下でこの特別法人税の課税をすると、ほとんどの人の元本が毎年減り続けてしまうでしょうから、2020年3月末まで課税が凍結されています。2001年の制度発足以来、デフレ経済から抜け出せなかったことから、2、3年ずつ凍結の延長を繰り返し繰り返し行なってきました。このDCにおける特別法人税は、国民年金や厚生年金の支給額を毎年0.9%ずつ目減りさせるマクロ経済スライドと、ほとんどうりふたつなシステムでデフレの間は発動されないものの、物価が上昇し始めると加入者の負担が求められます。

~中略~

この特別法人税 1.173% は、運用益に対して課税されるのではなく、積立残高全体に対して課税されます。この結果、年 5% で運用した人にとっては、運用益に対して 23.5% の税率となり、年 3% で運用した人にとっては 39.1%の税率、年 2% で運用した人にとっては 58.7% の税率、年 1% で運用した人にとっては、なんと 117.3% の税率となります。

この特別法人税は、現在はかかりませんが、将来的にはまったくわからないわけです。この記事の著者は、間違いなくかかってくるはずだと主張しており、その理由もかなり納得のいくものです。

確定拠出年金という制度は、投資したお金は、原則一定の年齢になるまで、原則引き落とせないわけです。つまり、特別法人税が課されるようになってから慌てても遅く、それ以降、ひたすら運用残高に対して税金がかかることになります。

この時点で、相当危険な制度であることがわかります。最初に述べたとおり、ふるさと納税やNISAのような、シンプルな制度とはまったくもって異なります。

2番目のデメリットを見ていきましょう。

 2番目のデメリットである課税所得の増加についての補足説明としては、通常の金融商品運用時には、その運用益から 20%(当面は 20.315%)の源泉税を納めるだけで、運用益を所得として申告する必要がありません。ところが、DCで運用をした場合には、運用益を含む毎年の年金受取額を所得として申告する必要があります。しかも、年金受け取り時まで、課税を繰り延べてきたことから、多額の課税所得が生じます。
この課税所得に対して、所得税と住民税を納めることはもちろんですが、さらに、健康保険税(健康保険料とも呼ばれる)、介護保険料といった社会保険料も余分に払う必要があります。

積み立て時は、節税効果があるのは事実です。しかし、受け取るときに税金がかかってしまうわけですね。

税金を繰り延べできるのはメリットではありますが、社会保険料にまで影響を及ぼすのは痛いところです(通常の株式投資などの場合は、源泉徴収口座を使えば、社会保険料には影響を与えなかったはずです)。

こちらは受け取るお金にかかるものなので、1番目のデメリットに比べれば、だいぶマシです。しかし、慎重な判断が必要になります。

3番目のデメリットです。

 3番目のデメリットであるDC特有の手数料としては、毎月かかる管理手数料(数百円)、加入時の手数料(2,777円等)、年金受給時の手数料(432円等)といったものがあります。

手数料の存在は、ご存知の方も多いはずです。こちらはわかりやすいですね。

そこそこの額を預けるつもりの人にとっては、そこまで大きなデメリットではないとも言えそうです。1番目のデメリットに比べたら、誤差のような金額です。わたしは貧乏性なのか、何もしていなくても毎年お金を取られるのは、苦痛に感じてしまうのですが。

必ずしも損というわけではない

記事を読み進めていくと、メリットとデメリットについて、詳しく比較・検討してくれています。目安になりそうな大まかな結論は、以下の部分でしょうか。

一方で、800万円以上の給与を現役時代に長期間受け取って、高めの税率の所得税を払っていた人の場合には、DCを利用した場合に、メリットの方がデメリットを上回って、手取り額が増える可能性が高くなります。(この境目となる給与所得額は家族構成などによって多少変動します。)

様々な仮定のもとで導かれていて、必ずしもみんなが同じ条件になるわけではありませんので、詳しくは元記事を読んでみてください。

自己破産しても確定拠出年金は受け取れる

もう1つ、メリットと言えなくもないことを紹介しておきます。あまり知られていないように思うのですが、確定拠出年金は、自己破産しても受け取ることができます。

以下は別のサイトの引用です。

確定拠出年金は、確定拠出年金法第32条で、「給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢給付金及び死亡一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。」となっています。
よって、確定拠出年金は差押禁止財産となり、自由財産に分類されます。

ですから、ご相談者様が自己破産をしても、確定拠出年金も厚生年金も破産手続きで債権者にとられることはなく、60歳になったら支給されますのでご安心下さい。

借金があり自己破産も考えています。iDeCoはどうなりますか?

「国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。」とあるので、税金関係の滞納だとやばいようですね。

60歳まで絶対に必要としないお金があるというのならば、お守り代わりに加入するのもありかもしれません?

確定拠出年金は、ハイリスクローリターン

将来的に意見が変わるかもしれませんが、わたしは、確定拠出年金という制度は、ハイリスクローリターンだと考えています。

元記事を読むまで、リスクとしてしっかりと認識していたのは、「60歳まで引き出せない」「口座維持手数料がかかる」くらいだったのですが、この2点だけでも、積極的に取り組む価値はないと判断していました。

節税は見込めたとしても、お金を拘束され、いざというときに自分すらも自由に使えないというのは、相当なリスクです。急にお金が必要になるかもしれませんし、確定拠出年金よりも良い制度や商品が出てくるかもしれないのですから。そして、元記事の1つ目のデメリットを読んだ時点で、わたしには必要のない制度だと確信してしまいました。

正しい知識をもって判断をしよう

ここまで記事を読み進めれば、かなりの知識が頭に入ったかと思います。その知識を持って、冷静に判断をすれば、大きな誤ちを犯すことはないはずです。

とくに、デメリットの1つ目として紹介した「特別法人税」については、しっかりと覚えておきましょう。あまり知られていませんが、相当に大きなリスクをはらんでいます。

補足(特別法人税の廃止は?)

特別法人税については、一応廃止も検討されています。直近だと、2016年に廃止の検討がされたましたが、結局実らず、3年の凍結延長となったようです。

今年は改正確定拠出年金法の付帯決議に特別法人税の廃止の検討が定められ、また、財務省を含む各省からの税制改正要望にも(それぞれが所管する制度についての)特別法人税の撤廃が盛り込まれたことから、凍結ではなく廃止も期待されたところですが、残念ながら実現しませんでした。

特別法人税の凍結延長と積立NISA~平成29年度税制改正大綱より

税金は、増えることはあっても、残念ながら減ることは極めて稀です。期待はしないほうがいいかなと、わたしは思います。

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